骨棘(こつきょく)とは?かかとの骨が出てる原因と対処法を義肢装具士が解説
2026年7月9日 ・ FARS編集部
かかとの痛み踵骨棘骨棘
「レントゲンで骨棘があると言われた」「かかとの骨が出てる気がする」——この記事では、骨棘の正体と、かかとにできる骨棘(踵骨棘)の原因・対処法を義肢装具士が解説します。
骨棘(こつきょく)とは
骨棘は「こつきょく」と読みます。骨に長期間くり返し負担がかかった結果、骨の縁がトゲ(棘)状に増殖したものです。
骨棘は体のさまざまな場所にできます。
- 膝関節(変形性膝関節症に伴う)
- 腰椎・頚椎(変形性脊椎症に伴う)
- そしてかかと(踵骨棘)
共通するのは「負担の集中が長く続いた場所にできる」ということ。骨棘は原因ではなく、負担の積み重ねの結果なのです。
かかとにできる骨棘=踵骨棘(しょうこつきょく)

かかとの骨(踵骨)にできる骨棘を踵骨棘と呼びます。「かかとの骨が出てる」と感じる場合、多くはこの踵骨棘か、かかと後方の骨の変形(ハグルンド変形)です。
踵骨棘ができる場所は主に 2 か所です。
- 足裏側(足底腱膜の付着部):最も多い。足底腱膜炎と深く関係する
- かかと後方(アキレス腱の付着部):靴のかかとが当たって痛むタイプ
かかとの骨が出てる・骨棘ができる原因
足裏側の踵骨棘の主な原因は、足底腱膜(足裏の膜状の組織)への牽引ストレスの蓄積です。
- アーチ機能の低下:扁平足やハイアーチで衝撃吸収が落ち、足底腱膜が引っぱられ続ける
- 立ち仕事・長時間歩行:かかとへの荷重時間が長い
- 体重増加:足底腱膜への牽引力が増える
- 加齢:かかとの脂肪クッションが薄くなる
- 硬い靴・薄い靴底:地面からの衝撃が直接伝わる
牽引ストレスが続くと、足底腱膜の付着部で微細な損傷と修復がくり返され、その過程で骨が増殖して棘状になります。
骨棘があると必ず痛いわけではない
意外に思われるかもしれませんが、踵骨棘があっても痛みのない人はたくさんいます。かかとの痛みの主な原因は骨棘そのものではなく、併発している足底腱膜炎(付着部の炎症)であることが多いのです。
「朝起きて最初の一歩がかかとに刺すように痛い」場合は、足底腱膜炎の典型症状です。詳しくは足底腱膜炎の症状解説ページをご覧ください。
整形外科での治療
踵骨棘・足底腱膜炎が疑われる場合、整形外科では以下の治療が行われます。
- 装具療法:足底板(装具用インソール)で衝撃を分散(保険適用あり)
- 物理療法:ストレッチ指導・体外衝撃波治療など
- 薬物療法:消炎鎮痛剤・注射
- 手術:ごくまれ。保存療法で改善しない重症例のみ
骨棘を「削って取る」治療は基本的に行われません。負担の原因(アーチ機能の低下)を断つことが治療の中心です。
日常でできる予防・セルフケア

① アーチを支えて牽引ストレスを減らす
足底腱膜への引っぱりを減らすには、アーチサポートが基本です。義肢装具士が設計したFARS(ファーズ)のアーチサポート靴下は、3 点アーチをアーチパッドで支え、足底腱膜への負担軽減をサポートします。装具用インソールが使えない素足・上履き・パンプスの場面でも履くだけで続けられます。
② ふくらはぎ・足裏のストレッチ
ふくらはぎが硬いと、足底腱膜への牽引が強まります。
- ふくらはぎ伸ばし:30 秒 × 各 3 セット
- 足裏のばし(足指を手で反らせる):30 秒 × 各 3 セット
③ 靴とかかとのクッション見直し
- かかとにクッション性のある靴を選ぶ
- 底が薄く硬い靴・すり減った靴を履き続けない
まとめ
骨棘(こつきょく)は骨にできるトゲ状の突起で、かかとにできるものが踵骨棘。骨棘そのものより、原因である「アーチ機能の低下と負担の集中」への対処が本質です。朝の一歩目の激痛など症状がある場合は整形外科へ。症状が軽いうちは、アーチサポートとストレッチで負担を減らすことが最大の予防になります。
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